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広島高等裁判所 昭和49年(行コ)6号 判決 1975年1月22日

控訴人(原告) 戸田千代太郎

被控訴人(被告) 広島東税務署長

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  申立

控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人が控訴人に対して昭和四六年一〇月二八日付でなした昭和四五年度分所得税の更正処分(ただし確定申告額を超える部分のうち異議申立に対する決定により取消された部分を除く)および加算税の賦課処分(たゞし異議申立に対する決定により取消された部分を除く)を取消す。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」

との判決を求めた。

被控訴人は、主文同旨の判決を求めた。

二  主張と証拠関係

当事者双方の事実上の主張と証拠関係は、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

当裁判所も控訴人の本訴請求を失当と判断する。その理由は、次のとおり訂正するほか、原判決が理由として説示するとおりであるから、これを引用する。

1  原判決一四丁表九行目「紀秀が」の次に「控訴人から無償で借受けて」と加える。

2  同一五丁表四行目「夜間のみ」を「妻とともに」に改める。

3  同六行目「原告と妻ヨシミ」から同九行目「持ち運んだに過ぎず」までを、「控訴人と妻ヨシミが本件建物に起居するに当つては、これを譲渡した後は再び本通所在の前記建物三階に戻ることを予定し、同所にはその家財道具のほとんどをそのまま残置し、控訴人が同建物内の前記会社から去る夜間は二男正純や同会社従業員別所和夫にその管理を託し、本件建物へは僅かに茶碗やふとん類を持ち運んだに過ぎず」と改める。

4  同一六丁裏三行目末尾に「すなわち、右約五〇日の期間にあつても、控訴人がなお本通所在の前記建物三階を生活の本拠として居住の用に供していたことは否定することができず、控訴人の長男の本件建物三階の使用が無償であつた事実から、同人が控訴人に経済的に依存していた面が認められるにしても、右期間前後の控訴人夫妻、長男一家の各居住関係からすれば、控訴人夫妻と長男らを併せて一個の世帯と見て、控訴人が長男紀秀らを同居させていたものと解するのは相当でない。」と加える。

5  同一七丁表一一行目「幣害」を「弊害」と改める。

よつて、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、控訴費用の負担につき民事訴訟法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 胡田勲 西内英二 高山晨)

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